OAフロアの種類と選び方を解説!費用感や導入ポイントを紹介

OAフロア(フリーアクセスフロア)とは、オフィス内の配線を効率的に管理するために、床を二重構造にしたシステムです。

OAフロアを導入することで、電源ケーブルやLANケーブルなどを床下に収納し、オフィス内をすっきりと保つことができます。

本記事では、配線を床下に収納して見えなくするOAフロアのメリット、種類、選び方をわかりやすく解説します。

OAフロアとは

OAフロアとは、既存の床の上にもう一層の床を設けた二重構造の床を指します。

この構造にすることで、OA機器の電源コードやケーブルなどの配線を床下に収納することが可能になります。

OAフロアを導入することで、配線類をすっきりと床下に収めることができ、オフィス内の見た目を整えるだけでなく、作業効率や快適性の向上にもつながるのです。

OAフロアを設置するメリット

OAフロアを採用することで得られる主なメリットは以下の4つです。

□オフィスの安全性が高まる

配線が床の上に露出している状態では、社員がつまずいてケガをするリスクがあります。しかし、OAフロアを採用すれば、配線を床下に収納できるため、足元を気にする必要がなくなり、安全に仕事に取り組める環境を整えられるでしょう。

□働きやすい環境になる

配線などの障害物がなくなることで、オフィス内の移動がスムーズになり、作業効率の向上が期待できます。また、配線の抜けや断線によるトラブルが減少するため、データ消失や機器故障のリスクも軽減され、生産性の向上につながるでしょう。

□オフィスをレイアウトしやすい

家具や什器の移動を妨げる障害物がなくなることで、オフィスのレイアウト変更がしやすくなる点もメリットです。これにより、社員の異動や人数の増減、さらには業務効率改善を目的とした配置変更が頻繁に発生する企業でも、柔軟かつ迅速に対応することが可能になります。

□掃除がしやすくなる

複数の配線が絡み合うとホコリが溜まりやすく、掃除が難しくなるのが課題です。しかし、配線を床下に隠すことで掃除がしやすくなり、清潔で快適なオフィス環境を維持することができます。

OAフロアの種類

OAフロアは、大きく分けて「置敷タイプ」と「支柱タイプ」の2種類があります。

これらは、配線を床下に隠すという共通の目的を持ちながら、設置方法や用途に応じて選択されます。

  • 置敷タイプ

既存の床の上にパネルを直接敷き詰めるシンプルな構造が特徴です。このタイプはさらに細分化され、「置敷式簡易OAフロア」「置敷式溝配線OAフロア」に分類されます。

簡易OAフロアは施工が容易で、コストを抑えたい場合に適しています。

一方、溝配線OAフロアはパネル上部に設けられた溝を活用するため、配線が整理しやすく、後からの変更にも柔軟に対応できます。

  • 支柱タイプ

床を支柱で支えることで高さを確保し、大量の配線や設備が必要な場合に適しています。

耐荷重性や耐震性に優れ、サーバールームや大規模オフィスで特に利用されることが多いです。

高さを調整できるため、特定の配線条件やオフィス設計に応じた設置が可能です。

どちらのタイプを選ぶべきかは、オフィスの用途や施工条件、必要な配線量に依存します。たとえば、配線が少なくコストを抑えたい場合は「置敷タイプ」が適していますが、配線が多く将来的な増設を見越す場合には「支柱タイプ」が最適です。

OAフロアを採用する時は仕上げ材も重要

仕上げ材の選択も重要です。OAフロアの表面材には、タイルカーペットやビニル床タイルが一般的に使用されます。

  • ▼タイルカーペット
  • ▼ビニル床タイル

タイルカーペットは柔らかさと防音性に優れ、快適性を重視するオフィスに適しています。

一方、ビニル床タイルは耐久性が高く、清掃が容易でメンテナンス性を重視する環境に向いています。

OAフロアを選ぶ際は、オフィスの用途やニーズを明確にし、最適なタイプと仕上げ材を選定することが、快適で機能的な空間作りの鍵となります。

OAフロアの選び方

OAフロアの選び方について解説します。選定の際には、特に以下の5つのポイントに注目することをおすすめします。

  • 価格
  • 配線を収納する容量
  • 耐荷重
  • 材質
  • 施工条件

価格

OAフロアの価格は、選ぶタイプや仕上げ材、施工条件によって大きく異なります。

一般的に、簡易的な「置敷タイプ」は比較的低コストで導入できる一方、高さ調整や耐荷重性が必要な「支柱タイプ」は価格が高くなる傾向があります。

また、使用する仕上げ材によっても費用は変動します。タイルカーペットを使用する場合は防音性や快適性が向上する分、コストがかかることが多く、一方でビニル床タイルは耐久性とコストパフォーマンスに優れており、比較的安価で利用できます。

□価格の目安

置敷タイプ:¥2,500〜3,000円/m²

支柱タイプ: ¥5,000〜6000円/m²

価格は1平米単価(工事費用を除く)で提示されるケースが多いです。

具体的な費用を知るには、オフィスの条件やニーズを明確にし、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。適切なタイプと仕様を選ぶことで、コストを抑えながらも機能的なOAフロアを導入することができるでしょう。

また、予算を抑えるためOAフロアの施工を自分で行おうと考える方も多いかもしれませんが、意外と難しい作業が多いため注意が必要です。

例えば、床の形状に合わせたカット処理や補助脚の取り付け、充填ボーダーを使用した仕上げなど、細かな作業が求められます。

これらを一人で正確に仕上げるのは、スキルが必要です。

オフィスレスキュー119Happyでは、無料相談窓口を設けています。お見積もりは無料ですので、OAフロアを検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。

【OAフロアの導入における疑問点はぜひ オフィスレスキュー119Happy にご相談ください】

配線を収納する容量

OAフロアにおける配線の収納方法には「パネル下配線方式」と「溝配線方式」があります。

□パネル下配線方式

床下全体を配線スペースとして活用します。この方式は、大量の配線を収納するのに適しており、配線の種類や量に制限が少ないのが特徴です。

特に配線が多く複雑なオフィスや、サーバールームのような環境では、この方式がよく選ばれます。ただし、必要な配線を取り出す際には一部のパネルを取り外す手間が発生します。

□溝配線方式

OAフロアのパネル上部に設けられた溝を利用して配線を収納します。この方式は、配線を整理しやすく、後からの配線変更や追加が容易です。

ただし、溝の幅や深さによって収納できる配線の量が制限されるため、大量の配線が必要な場合には不向きなこともあります。

選択する方式によって収納容量やメンテナンス性が異なるため、オフィスの規模や用途に応じて最適な方式を選ぶことが重要です。

また、将来的な配線の増設を見越して余裕のある収納容量を確保することで、長期的に快適で機能的なオフィス環境を維持することができます。

耐荷重

OAフロアの耐荷重性能は、設置する環境や用途に応じて重要なポイントです。特に、オフィス内で重い家具や機器を設置する場合や、多くの人が頻繁に行き交う場所では、十分な耐荷重性能を持つOAフロアを選ぶことが求められます。

OAフロアを検討する際は、床にかかる重圧に対する耐性を示す「N(ニュートン)」に着目しましょう。

1000Nとは、1平米あたり100kgの重圧を加えても壊れない性能があることを示しています。以下の表の通り、耐荷重はタイプ・素材によって違いが生まれます。

分類 1平米あたりの耐荷重
置敷タイプ(樹脂) 2000N(200kg)~3000N(300kg)
置敷タイプ(コンクリート) 3000N(300kg)~5000N(500kg)
支柱タイプ(金属) 3000N(300kg)~5000N(500kg)

※情報はあくまで目安として提供されており、実際の状況や条件によって異なる場合があります。

OAフロアを選ぶ際は、耐荷重の数値を基準に判断することをおすすめします。

また、オフィスに置く機器の重さによって、適した耐荷重は異なります。

耐荷重 適したオフィスの特徴
3000N(300kg) 書庫や家具、複合機のある一般的なオフィス
4000N(400kg) 大型書庫や小規模サーバーを置く部屋
5000N(500kg) 大規模サーバーや制御機器置く部屋

オフィスに設置する機器の重さに応じて、適切な耐荷重を選ぶことが大切です。

オフィス環境や設置予定の機器に合わせて耐荷重を検討することで、安心して長期間使用できるOAフロアを選ぶことができます。

材質

OAフロアのパネルには、主に4種類の材質が使用され、それぞれ特性や用途が異なります。設置環境や目的に応じて、適切な材質を選ぶことが重要です。

□樹脂

軽量で施工が簡単なうえ、コストが安価なのが特徴です。接着剤やビスを使用せずに設置できるため、建物を傷つけず、賃貸物件や小規模オフィスでの導入に適しています。ただし、耐荷重性能は低めで、重い什器や頻繁な荷重がかかる環境には不向きです。

□コンクリート

高い耐久性を持ち、ノイズ防止効果や通信障害の軽減に優れています。そのため、機械の誤作動を防ぎたい環境に適しています。ただし、重量があるため施工には注意が必要で、コストも高めです。耐久性を重視したいオフィスや特殊用途におすすめです。

□アルミ

耐久性が高く、軽量で耐震性に優れているため、地震の多い地域でも安心して使用できます。また、磁気の影響を受けにくい性質があり、コンピュータールームや電算室のような精密機器が多い環境に最適です。

□スチール

非常に高い耐久性を誇り、歩行音が静かで快適なオフィス環境を提供します。さらに、リサイクル可能なため環境にも配慮されています。一般的なオフィスからサーバールームまで、幅広い用途に対応できる万能な素材です。

材質を選定する際は、オフィスの用途、設置する什器や機器の重量、必要な配線量や耐荷重性能を考慮してください。

施工条件

OAフロアを設置する際には、いくつかの施工条件を考慮する必要があります。以下の点を正しく把握し対処することで、より効率的で安全な設置が可能となります。

□床の状態

既存の床が水平であることが基本条件です。不陸(凹凸)がある場合は、OAフロアを設置する前に床の修正や補強が必要です。

また、床材の強度が十分であるかも確認しなければなりません。特に支柱タイプのOAフロアは支柱が荷重を支えるため、床材自体が十分な強度を持っていることが求められます。

□天井までの高さ

OAフロアを設置すると床の高さが上がるため、天井高が低いオフィスでは圧迫感が生じる可能性があります。特に支柱タイプの場合は床高が大きくなるため、天井高とのバランスを考慮することが重要です。

□オフィスビルの工事ルール

賃貸物件では、接着剤を使用して床に傷がつく可能性がある支柱タイプの設置が禁止される場合があります。また、騒音の問題から、工事可能な曜日や時間帯が制限されることもあるため、事前にビルの規定を確認し、管理者と調整を行うことが重要です。

施工条件を十分に考慮し、オフィスに最適なOAフロアのタイプと設計を選ぶことが重要です。事前に計画を立て、専門業者としっかり相談することで、スムーズで効果的な導入が実現します。

OAフロアの導入事例を解説

オフィスレスキュー119Happyが担当したOAフロアの導入事例を解説します。OAフロアの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

既存OAフロアが壊れているので交換した事例

東京都のシステム開発を営む企業様より、既存OAフロアが壊れているので交換したいとのご依頼を受けました。

  • ▼Before
  • ▼After

工事では、OAフロア、タイルカーペット、家具のすべてをリユース商品で対応し、コストを大幅に抑えつつ全体的なレイアウト変更もご提案しました。その結果、リユース商品とは思えないほどフレッシュで洗練された印象のオフィスに生まれ変わりました。

お客様のご要望に合わせてスケジュールを組み、土日のみ作業を行い3週間で工事を完了しています。

≫ 事例の詳細はこちら からご覧ください。

リユース品を採用したOAフロアとタイルカーペットの施行事例

千葉県に拠点を置く教育機関の企業様からOAフロア化とタイルカーペット仕上げのご依頼がありました。教室に新しくパソコンを備えるにあたり、配線を隠したいとのご要望です。

  • ▼Before
  • ▼After

ご予算内で工事を進めるため、OAフロアには複数種類のリユース品を組み合わせる方法をご提案しました。

パネルの種類が異なることで微妙な高さの違いが生じましたが、段差調整材を使用することで、フラットで快適な床面を実現しています。

さらに、タイルカーペットもリユース品を採用。これにより、コストを抑えながら床からの冷えを防ぐ効果も発揮し、コストパフォーマンスの高い施工が可能となりました。

≫ 事例の詳細はこちら からご覧ください。

新規事務所の開設におけるOAフロアの施工事例

神奈川県で福祉施設を経営される企業様から、配線の整理と床の美化についてご依頼がありました。

  • ▼Before
  • ▼After

今回の工事では、OAフロアを設けてその下に配線を通し、その上にビニル床材を貼る施工を行いました。ビニル床材は汚れがついても掃除がしやすく、清潔な状態を長く維持できる点が特徴です。

さらに、木目調のデザインを選ぶことで、無機質だった室内に温もりが加わり、洗練されたおしゃれな空間が完成しました。

きれいな仕上がりに対して、お客様からは「家具などを設置するのが楽しみ」というお言葉をいただき、大変喜んでいただけました。工期はわずか2日間と短期間で対応し、スムーズに工事を完了させました。

≫ 事例の詳細はこちら からご覧ください。

オフィスの安全性と快適性を叶えるOAフロア

OAフロアは、配線を床下に収納し、オフィス環境を安全かつ快適に整えるための効果的な選択肢です。

足元の配線がなくなることで見た目がすっきりするだけでなく、転倒リスクを防ぎ、安全性が向上します。また、柔軟な配線変更やレイアウト変更が可能となり、将来的なオフィスの成長にも対応しやすくなります。

OAフロアの導入を検討する際は、オフィスの用途や配線量、設置環境を考慮し、専門業者と相談しながら最適な設計を選ぶことが重要です。

オフィスレスキュー119Happyでは、お客様の環境・条件・ご要望などに合わせて最適なオフィス作りを提案しています。OAフロアの導入を検討中の際はお気軽にご相談ください。