
限られた面積の小規模オフィスにおいても、レイアウト次第で作業効率や快適性を大きく向上させることが可能です。
無駄のない動線設計や家具の選定、収納スペースの工夫など、空間を最大限に活かす設計術には多くのポイントがあります。
本記事では、機能性とデザイン性を両立させた小規模オフィスのレイアウトのコツをご紹介します。
業務効率の向上はもちろん、働く人にとって居心地のよい空間を目指すためのヒントとして、ぜひ役立ててください。
Contents
小規模オフィスとは?
「小規模オフィス」とは、コンパクトなスペースで機能的に働けるオフィス形態のことを指します。
広さは限られていても、必要な設備を効率的に配置し、快適で生産性の高い空間を実現できるのが特徴です。
限られた床面積の中で業務を行うため、効率的な空間活用や機能的なレイアウトが求められます。
スタートアップ企業や個人事業主、リモートワークを前提としたチームなどに多く見られ、近年ではコワーキングスペースやシェアオフィスの一角を利用するケースも増加しています。
スペースに制約があるからこそ、快適で生産性の高い職場環境を整える工夫が重要となります。
小規模オフィスのメリットとデメリット
小規模オフィスには、コンパクトな空間ならではの利点と課題の両方が存在します。
コストを抑えやすく、チームのコミュニケーションが取りやすいといったメリットがある一方で、スペースの制約やレイアウトの難しさといったデメリットもあります。
ここでは、小規模オフィスを選ぶ際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理し、導入や見直しの判断に役立つ情報をご紹介します。
小規模オフィスのメリット
小規模オフィスを構えるメリットは、大きく分けて3つあります。
◾️コストがかかりにくい
- 賃料や光熱費、清掃費などの固定費を抑えられる
- 従業員数が少ないため、揃えるオフィス家具やOA機器、備品などの費用がかかりにくい
◾️コミュニケーションが活発になる
- 執務スペースがコンパクトで顔を合わせやすく、コミュニケーションが活発化する
- 報告・連絡・相談がスムーズになる
- 業務内容や進捗状況を把握しやすくなる
- チームワークによい影響を与える
◾️レイアウト変更ができる
- キャスター付き家具の導入で、業務内容や作業人数に合わせたレイアウトができる
- 共有スペースをミーティングや作業スペース、休憩室として転用できる
小規模オフィスのデメリット
小規模オフィスでは、いくつかのデメリットが懸念されます。快適かつ効率的なレイアウトを実現するには、それぞれの課題に対して適切な対策が求められます。
◾️防音対策が課題
小規模オフィスでは、防音対策が課題のひとつです。限られた空間では会話や電話の声が響きやすく、周囲の音が気になって集中力が妨げられる場合があります。
特に打ち合わせスペースやオンライン会議を行う場所では、音の漏れや反響を抑える工夫が求められます。
快適な業務環境を保つためにも、吸音パネルの設置やパーティションの活用など、防音対策をしっかり検討しましょう。
項目 | 内容 |
課題 |
圧迫感が出ないように簡易的な間仕切りを利用すると、会議や打ち合わせの声が外に漏れる |
解決策 |
・背の高い間仕切りを使う ・専門業者に相談し、スペースの用途に合ったパーティションを選ぶ |
◾️来客スペースの確保が課題
来客対応が必要な業種では、小規模オフィスで来客スペースを確保するのが難題です。
限られた面積の中で業務スペースと来客エリアを両立させるには、レイアウトに工夫が求められます。
間仕切りや可動式の家具を活用すれば、業務に支障をきたさず、柔軟に空間を活用できます。訪問者に良い印象を与えるためにも、快適さや清潔感のある空間設計が重要です。
項目 | 内容 |
課題 |
オフィスが狭く、来客用スペースを十分に確保できない |
解決策 |
・多目的スペースを応接室に使う ・可動家具で空間を仕切り、来客数に応じてスペースを拡張する |
小規模オフィスのレイアウトデザインのポイント
小規模オフィスでも、レイアウトを工夫すれば開放感があり、快適に作業できる環境を整えられます。ここでは、限られたスペースを最大限に活かすために押さえておきたいレイアウトのポイントを解説します。
- 視線を遮らないレイアウトで空間を広く見せる
- 収納とパーティションを兼ねた家具の活用
- 内装と家具の調和で統一感を出す
視線を遮らないレイアウトで空間を広く見せる
狭いオフィスでは圧迫感が生じやすいため、視線を遮るようなレイアウトは避け、空間に広がりを感じさせる工夫が求められます。
視線が部屋の奥まで通るような配置にすることで「抜け感」が生まれ、圧迫感の軽減につながります。
以下のようなレイアウトが効果的です。
- 背の高い棚や収納は壁際に設置する
- 目線よりも低い棚や収納を選ぶ
- 背の高い収納は入り口から離れた奥に配置する
- パーティションは背の低いものを使う
- ガラスやアクリル、すりガラスなど、視線が抜ける素材のパーティションを活用する
- 窓や入口付近は視線を遮らないように配置し、自然光を取り入れる
特に自然光を活かしたレイアウトは、空間を明るく見せるだけでなく、目の疲労軽減や集中力アップといった効果も期待できます。
限られたスペースでも快適な作業環境をつくるために、光と視線の通りを意識したレイアウトを心がけましょう。
収納とパーティションを兼ねた家具の活用
小規模オフィスでは、執務スペースや会議室、休憩室など、用途の異なるエリアに加え、十分な収納スペースの確保も課題となります。これらの課題には、収納家具をパーティションとして活用する方法が効果的です。
たとえば、背の低いキャビネットを間仕切りとして使えば、視線を遮らずに空間をゆるやかに分けられます。会議室や休憩室、応接スペースなどをワンフロア内に無理なく設置する際にも有効です。
また、キャスター付きの収納を取り入れると、使用目的や人数に合わせてレイアウトを柔軟に変更できるため、利便性が向上します。造作壁を設けずに収納を仕切りとして活用すれば、圧迫感を抑えながら空間を有効に使え、コストも軽減されます。
限られたスペースを最大限に活かす方法として、非常に実用的なアプローチです。
内装と家具の調和で統一感を出す
企業のコンセプトに沿った統一感のある内装や家具は、働く人の意識が整いやすくなり、ブランドイメージの向上にもつながります。
コンセプトを設計する際には、社員が理想とする働き方や必要とされる機能性、そしてインテリアのイメージを反映させる視点が欠かせません。たとえば、以下のような企業イメージをもとに内装や家具を選ぶと効果的です。
- カジュアル:活発なコミュニケーションが生まれる雰囲気(例:スタートアップ企業)
- リラックス:落ち着いて仕事に集中できる空間(例:コンサルティング業)
- シック:品格や伝統、信頼感を重視したデザイン(例:法律事務所)
- スタイリッシュ:先進的でクリエイティブな印象(例:デザイン事務所)
近年では、木目調の素材やファブリック、ニュアンスカラーを取り入れたカフェ風の内装が注目されています。柔らかく洗練された印象を与えることで、働きやすさはもちろん、優秀な人材の確保にもつながる点が魅力です。
小規模オフィスにおけるレイアウト設計時の注意点
広さに限りがある小規模オフィスでは、快適な作業環境を保つために、レイアウトの工夫が欠かせません。スペースを有効に使いながらも、働きやすさや動線の確保を意識する必要があります。ここでは、小規模オフィスのレイアウトで注意すべきポイントを解説します。
- 収納スペースを確保する
- 圧迫感への配慮を行う
- 音への対策と配慮
- 将来的な増員を見据えた柔軟な設計をする
収納スペースを確保する
小規模オフィスでは、限られたスペースの中でも必要な収納を確保する工夫が求められます。
収納が不足すると、デスク周辺に書類や備品が散乱しやすくなり、業務効率が下がったり、ストレスを感じやすくなったりする恐れがあります。
そのため、空間を圧迫しないコンパクトな収納家具を活用したり、壁面やデッドスペースを上手に使ったりするなど、レイアウト段階から収納計画が重要です。
整理整頓されたオフィスは、見た目にも清潔感があり、訪問者にも好印象を与えます。
圧迫感への配慮を行う
小規模オフィスでは、圧迫感を与えないレイアウト設計が重要です。背の高い家具や仕切りを多用すると視線が遮られ、空間が狭く感じられてしまいます。
圧迫感を軽減するには、目線より低い家具を選ぶ、視線の抜けを意識した配置にする、ガラスやアクリルなど透過性のある素材を取り入れるといった工夫が効果的です。
開放感のある空間づくりは、集中力や快適性の向上にもつながります。
音への対策と配慮
小規模オフィスでは、音への対策と配慮も欠かせません。限られた空間では会話や電話の声が響きやすく、集中力の低下やストレスの原因になる場合があります。
音の反響を抑えるためには、吸音効果のあるパネルやカーペットを取り入れたり、パーティションに布製や吸音素材を使ったりする方法が効果的です。
また、会議やオンラインミーティングが多い場合は、専用のブースや遮音性のあるスペースを設けるなど、周囲への音漏れへの配慮も必要です。
快適な業務環境を整えるためには、視覚だけでなく聴覚への配慮も意識した設計が求められます。
将来的な増員を見据えた柔軟な設計をする
小規模オフィスのレイアウトを考える際は、現在の人員に最適化するだけでなく、将来的な増員も見据えた柔軟な設計が求められます。
デスクや収納を移動しやすい配置にする、可動式の家具を導入するなど、レイアウト変更に対応しやすい環境を整えておくと、組織の成長にもスムーズに対応できます。
また、フリーアドレス制の導入や共有スペースの活用も、柔軟性のあるオフィスづくりに有効です。
小規模オフィスには空間を活かすレイアウトの工夫が大切
限られたスペースで業務効率と快適さを両立させるためには、小規模オフィスならではのレイアウトの工夫が欠かせません。
視線の抜けを意識した配置や、収納を兼ねたパーティションの活用、将来的な増員に対応できる柔軟な設計など、ちょっとした工夫が大きな効果を生み出します。
空間を有効に活かしたレイアウトは、働く人にとっても心地よい環境をつくり、生産性の向上や企業イメージの向上にもつながります。
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