
スマホ首(ストレートネック)とは本来、弓のように湾曲している首の骨が直線化する状態を指します。
スマートフォンの普及に伴い、肩こりや頭痛、手のしびれ、さらには思考力や集中力の低下など、体や脳への影響に悩む人が増えています。
この記事では、スマホ首の原因や簡単なセルフチェック法、予防方法を解説します。体の不調やパフォーマンス低下が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
スマホ首(ストレートネック)とは?
スマホ首とは、本来湾曲している首の骨が直線化し、頭が前に突き出た状態になる症状です。長時間のスマートフォンやパソコンの使用による前のめり姿勢が原因で、首や肩のこり、頭痛、手のしびれなどの不調を引き起こします。
総務省の調査によると、令和4年度の休日における10代および20代の「動画投稿・共有サービスの視聴」や「ソーシャルメディアの閲覧・投稿」の平均利用時間はいずれも100分を超えており、長時間の不良姿勢が首に大きな負担を与えていると考えられます。
スマートフォンやパソコンの使用中は、体にほとんど動きがない状態です。そのため、首周りの筋肉に大きな負荷がかかり続け、首のこりや痛み、肩こりが生じやすいほか、以下のような症状を引き起こしやすくなります。
- 頭痛、めまい、吐き気
- 手足のしびれ、腰痛
- ぽっこりお腹、二重あご、猫背
- 視力低下、ドライアイ
- 自律神経のアンバランス
- 脳疲労(思考力や集中力の低下、物忘れ)
参考:「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省)
スマホ首になる原因
スマホ首の主な原因は、長時間続く前かがみの姿勢にあります。
スマートフォンやパソコンの使用時に視線が下がり、頭が前に突き出ることで、首の湾曲が失われ直線化します。
この状態が続くと、首や肩の筋肉に過度な負荷がかかり、体のコリや痛みを引き起こします。さらに、体をほとんど動かさずに長時間同じ姿勢が続くと、血流が悪化し、自律神経の乱れや脳疲労を招くおそれもあるため早めの対処が必要です。
スマホ首セルフチェック表
スマホ首になっているか確認できるセルフチェック方法をご紹介します。パソコンやスマートフォンを長時間使用する習慣がある方は、ぜひ試してみてください。
まず、壁に背を向けて立ち、頭・背面の肩・お尻・かかとの4点が壁にしっかり触れているか確認しましょう。もし頭が壁から離れてしまう場合は、スマホ首の可能性があります。
また、4点が壁に接していたとしても、以下の状態に当てはまる場合は注意が必要です。
- 首のこり、肩こりを慢性的に感じる
- 見上げるとき、首に違和感がある
- 首がつまるように感じ、上が向きにくい
- 目が疲れやすくドライアイである
- 1日5時間以上、スマホやパソコンを使用している
- 自分は猫背であると感じる
- 身体が疲れやすくやる気が出ない
- 睡眠不足を感じる
これらの症状がある場合は、スマホ首の兆候が考えられるため、早めのケアを意識しましょう。
スマホ首の予防方法
スマホ首は、日頃の生活習慣を見直せば予防や改善につながります。ここでは、効果的な対策を紹介します。
- 正しい姿勢を意識する
- デスクワークのときのチェアとデスクを見直す
- スマホを見るときの目線に注意する
- 適度に休憩をとる
参考:「情報機器作業における労働衛生 管理のためのガイドライン」(厚生労働省)
正しい姿勢を意識する
スマホ首を予防、改善するには、まず正しい姿勢が大切です。
椅子に座る際は、骨盤を立たせて背筋を伸ばし、深く腰掛けるようにしましょう。頭が体の真上にくるよう意識すると、首への負担が軽減されます。
その際、肩が内巻きにならないよう注意し、軽く後ろに引くように意識すると、より正しい姿勢をキープしやすくなります。
また、正しい姿勢を維持するには、自分に合ったチェアの選択も重要です。以下の記事では、正しい姿勢で座るコツやチェア選びのポイントを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
正しい姿勢の座り方とは?デスクワークにおける腰痛や肩こりを軽減する方法
デスクワークをおこなう方は、体型に合わせてチェアとデスクの高さを調整すると、姿勢の崩れを防げます。
デスクの適切な高さは、肘の角度が90度になる位置が目安です。肩に余計な力がかからず、自然に腕を置ける高さが理想です。
チェアの高さは、両足の裏が床にしっかり接し、膝の角度が90度になる位置が適切です。背もたれが高く、腰を支えるランバーサポート付きのチェアを選ぶと、長時間快適に使用できるでしょう。
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スマホを見るときの目線に注意する
スマートフォンを見るときは、首を曲げずに目線とスマートフォンの高さが同じになるよう意識すると、前のめりの姿勢を防げます。
座って見る場合と寝ながら見る場合の姿勢のポイントを解説します。
- 座って見るときの姿勢
両手でスマートフォンを持つ場合は、脇を締めて肘を体の前に持っていくと、目線の位置まで持ち上げやすくなります。
片手で持つ場合は、空いた手を持ち手の脇の下に差し入れるか、肘を支えるように添えると安定します。
背もたれに触れるように腰かけると、上半身が安定しやすくなるでしょう。
- 寝ながら見るときの姿勢
ベッドやソファでスマートフォンを操作するときは、クッションなどを使い、適切な高さを保つのがポイントです。
ただし、仰向けでは肩に、横向きでは首に負担がかかるため、できるだけ寝ながらの使用は避けるのが理想です。
適度に休憩をとる
パソコンやスマートフォンの操作を長時間続けないようにすると、スマホ首の改善と予防に効果的です。長時間作業する際は、30分に一度は休憩をとるのが理想です。
休憩中は、頭を回したり肩を上下させたり、立ち上がって全身を伸ばしたりするストレッチを取り入れると、体がリフレッシュできます。
また、眼精疲労やドライアイ対策として、意識的にまばたきを増やし、適度に窓の外の景色を眺めて目を休める時間をつくるのも効果的です。目の負担が軽減され、疲れを和らげられます。
スマホ首を改善するストレッチ法
ここからはスマホ首を改善するストレッチを3つ紹介します。デスクワーク中にも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
①首を横に倒すストレッチ
首を左右に傾けるだけの、座ったままでもできるストレッチです。
- 正面を向きあごを引きましょう。
- 呼吸を止めずにゆっくりと左右に首を傾けます。
頭の重量を生かして首前方と首後方の筋肉を同時にストレッチします。
②横向きストレッチ
顔だけを左右に動かすストレッチです。
- 視線を目の高さに保ち、体はまっすぐ前を向いた状態で、顔だけを左に向けます。
- そのままの状態で3秒間保ちます。
- 正面に顔を戻したら、同様に顔を右に向けて、3秒間保ち元に戻します。
鼻を真横まで運ぶイメージで顔を左右に向けてみてください。
③胸開きストレッチ
胸を開き、手を後方で組む、猫背対策ストレッチです。
- 足を肩幅に広げて立ち、手を後ろに回して組みます。
- 胸を開き、組んだ手を床方向に伸ばします。
- 肩を上げずに組んだ両手を上げ、15秒間保ちます。
デスクワークで前に寄りがちな肩や腕を適切な位置に戻すことができます。
スマホ首は集中力を妨げる大きな原因!
スマホ首は、身体的な不快感や脳機能の低下によって集中力が削がれ、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。そのため、日頃から以下の点に注意してください。
- 前のめりの姿勢に気を付ける
- 体型に合わせてデスクやチェアを調節する
- ストレッチで筋肉をほぐす
- 一定時間ごとに休憩する
しかし、長時間の同じ姿勢は、どうしても姿勢が崩れやすくなるものです。そんなときは、姿勢をしっかり支える高機能チェアが役立ちます。
高機能チェアは、体型に合わせた調整が可能で、正しい姿勢を促すランバーサポートや、一息つけるリクライニング機能など、姿勢をサポートするさまざまな機能を備えています。
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