連日長時間にわたるデスクワークは、腰にかかる負担が大きいですよね。中には、つらい腰痛に悩まされている方もいるでしょう。
そこで今回は、腰痛を防ぐ働きが期待できるクッションについて紹介します。デスクワークで腰痛になる原因やクッションの選び方も解説するので腰痛改善にお役立てください。
デスクワークで腰痛を引き起こす原因
腰痛の原因は明確ではないものの、筋肉や筋膜などの軟骨部位の緊張によって起きるといわれています。デスクワークによって起こる腰痛は、主に次の原因が考えられます。
姿勢が崩れている
座る姿勢では腰が重い上半身や頭を支え、体に余計な負担がかからないようバランスをとっています。しかし、背中を丸くしたり足を組んだりすると、体を支えるバランスが崩れ、筋肉にかかる負担は増大します。
姿勢が崩れたままのデスクワークは腰に過剰な負担をかけるとともに、付近に大きな神経が通っているため、痛みを生じる場合があるのです。腰痛の方は、次のような姿勢をしていないか確認してみましょう。
■猫背や前かがみになる
頭や肩が前に出て、背骨付近の筋肉が突っ張る
■腕を組む
8kg程度ある両腕が前に出ることで重心が前方に偏る
■頬杖・机に肘を付く
体が傾き背骨が歪む原因になる
■机に対して斜めに座る
腰の片方に負担がかかりやすくなる
■座り方に偏りがある
足を組むと片方の骨盤に体重が乗り、背骨が歪んで片方だけに負担がかかる
これらの姿勢は、理想的な背筋のS字ラインを乱し、体重が等しく骨盤に乗らない原因です。
同じ姿勢をとり続けている
筋肉の疲労は、可動しているときよりも静止しているときの方が溜まりやすくなっています。デスクワークは、同じ筋肉を静止したまま使い続けるため、疲労が溜まりやすい状態です。
筋肉は疲労が溜まると柔軟性を失い硬くなります。この状態で体を急に動かすと筋肉をいきなり伸ばすこととなり、痛みを伴う場合があるのです。
さらに固くなった筋肉は、血管を圧迫し血行不良を起こします。血行不良は、血中から痛みの伝達物質を排出しにくくするほか、筋肉に必要な酸素や栄養分を補給するのを妨げ、疲労の回復を遅らせます。
椅子が合っていない
体に合わない椅子を使い続けることも腰痛につながります。普段、使用している椅子の座面が柔らかすぎていないか、へたっていないか確認しましょう。
柔らかすぎる座面は体が沈みやすくなり、正しい姿勢を維持しにくくします。クッションのへたりは、腰やお尻にかかる負担を分散できず、お尻の骨や筋肉に痛みを生じやすいのが難点です。
また、椅子の座面の高さが体のサイズに合っていない場合も腰痛の原因になります。適切な椅子の座面の高さは37~43cm程度。座ったときに足の裏全体が床につき、荷重が両足に等しくかかる状態です。
デスクワークの腰痛はクッションで解決できる?
デスクワークでは、時間の経過とともに正しい姿勢を維持できなくなり、崩れてしまうことも。クッションは腰回りの負担を軽減し、次の側面から腰痛にならないようサポートします。
姿勢を改善する
腰痛対策を目的に作られたクッションは、姿勢の歪みを防ぎ、正しい座り方をサポートする効果が期待できます。腰痛対策クッションは主に以下のタイプです。
■座布団タイプ
椅子の座面の上に敷く座布団タイプは、骨盤を支えて自然に背筋が伸びるようにサポートします。特に座面が斜めになったクッションは、猫背対策におすすめです。
■ランバーサポートタイプ
ランバーサポートタイプは背もたれと背中のすき間に入れて腰を支えます。椅子の背もたれの形状と体型が合わず、姿勢が崩れるときにおすすめ。背中のラインを自然なS字型に整えます。
このほかには、座布団タイプとランバーサポートタイプが一体となった、サポート力の高いクッションもあります。
圧力を分散する
座面に敷いて使う腰痛対策クッションには、体重を分散させる効果があり、体圧が部分的に集中するのを防ぐ効果があります。
座面の硬い椅子はお尻の1か所に体圧がかかり、痛みや歪みの原因になります。また柔らかすぎる座面は、骨盤が安定せず姿勢が崩れやすくなっています。
座布団タイプの腰痛対策クッションは、デスクワークの時間が長い方だけでなく、椅子の座面の硬さが合わない方にもおすすめです。
血行を改善する
体圧を分散できると腰やお尻周りの筋肉にかかる圧力が弱まり、血行が改善する効果が期待できます。
血行がよくなると酸素が筋肉に行きわたり、疲労回復につながります。血行の改善によって腰痛が緩和する効果も現れるでしょう。
デスクワークに使えるクッションの選び方
デスクワークに使うクッション選びでこだわりたい機能性やサイズ、デザインについて解説します。
機能性で選ぶ
クッションと一口にいってもさまざまな機能があります。
■清潔の維持
衛生的に使いたいならば、カバー付きや洗濯可能なクッションがおすすめ。取り扱い説明書を読み、洗濯機や乾燥機が使用できるか確認しましょう。
■血行を促進
中央が空いたドーナツ型のクッションは、お尻の血行不良を招かない効果があります。
■折りたたみ機能
クッションの中には折りたたみ可能なものもあります。折りたたみできるクッションは、仕事先だけでなく自宅やお出かけに持参できて便利です。
■中材の機能
座り心地を重視するならば、クッションの中材に着目して選びましょう。
低反発ウレタンは、すでに腰痛がある場合に選ぶのがおすすめ。柔らかくフィットしてゆっくりと沈み、体を支えます。高反発ウレタンは高いサポート力が欲しい方に適し、沈みにくく正しい姿勢の維持が期待できます。
ポリエステルは体の負担を軽減し、洗濯できる商品が多いのが特徴。ゲル素材は通気性がよく、グリッド数が500を超えるものは体圧をしっかりと分散します。
大きさをチェックする
クッションを選ぶときには、形状とサイズが椅子の座面にフィットするものを購入しましょう。
サイズは、座面よりも少し小さいクッションを選ぶのがおすすめ。クッションが座面からはみ出すと座り心地が悪くなり、姿勢のバランスを崩す場合があります。
デザインで選ぶ
腰痛対策クッションは会社や自宅でのデスクワークで使用するため、カラーやデザインにもこだわりたいもの。以前は、機能性重視のダークカラーのクッションが多かったものの、最近ではピンクやブルーなどの鮮やかなカラーの商品が増えています。
華やかなカラーやデザインのクッションならば、デスクワークのモチベーションアップにつながるでしょう。万が一、気に入ったデザインのクッションが見つからなかったとしても、カバーを付ければ好みにアレンジが可能です。
おすすめのクッション3選
ここからは腰痛対策におすすめのクッションを3点紹介します。
勝野式座るだけで骨盤キュッとクッション/メイダイ
このクッションは、ヒロ整形クリニックの勝野浩院長とメイダイが共同開発し、猫背・姿勢・腰痛の悩みをまとめて対策できるのが特徴。座るだけで正しい姿勢へと導きます。
その秘密は独自の形状と立体3層構造。クッション中央にある座骨ホールは、座骨に合わせた形状で姿勢を維持しやすくなっています。
また、クッションは下層から沈み込みにくい硬質ウレタン、体圧を分散する低反発ウレタン、お尻を後ろから支える高反発ウレタンからなり、骨盤をキュッと引き締めます。さらに、クッションの座面には約7度の傾斜があり、背筋が伸びてお腹がぽっこりと出るのを防ぎます。
カラーは落ち着いたレッド、ブルー、ブラウンの3色展開。椅子や床の上、車内でも使用可能です。購入はメイダイオンラインストアやAmazon、楽天などで可能です。
■本体価格4,180円(2024年10月時点)
ミニプニ/加地
公園のベンチやスポーツ観戦など、デスクワーク以外にもさまざまなシーンで使えるミニプニ。持ち運びしやすいように2つ折りにできるのが魅力です。折り畳んだ大きさはA5のコピー用紙と同程度で、バッグの中でもかさばりません。
クッションの内部は合成ゴムのエクスジェルを使用。無意識のうちに変化する姿勢に合わせてフレキシブルに動き、体にかかる負荷を軽減します。
カラーにはローズやマリンブルー、レモンなどの5色が用意され、どれもシーンを選ばず利用しやすくなっています。購入は加地オンラインストアやAmazon、楽天などでも可能です。
■本体価格5,500円(2024年10月時点)
腰痛対策クッション/コジット
この腰痛対策クッションは、こじま整骨院の小嶌賢治院長の監修のもと作られています。
お尻を包み込む立体的な座面は、正しい姿勢をサポート。前方中心にある突起は骨盤を立たせ、後方中心にある突起は背筋を自然に伸ばす効果が期待できます。また立体Wカーブ形状座面は、お尻をしっかりとキャッチして安定感があります。
本体サイズは43×38×14.5cmで、爽やかなネイビーのカバーには通気性のよいメッシュ素材を使い、洗濯が可能です。クッションは、コジットオンラインストアやモノタロウなどで購入できます。
■本体価格4,378円(2024年10月時点)
まとめ
デスクワークが腰痛を引き起こす原因やクッションの働き、選び方などを解説しました。
姿勢の崩れや体に合っていない椅子は、痛みの原因になります。
クッションなどのグッズをうまく活用して、快適なデスクワークを過ごしたいものですね。