オフィス空間の中でも床は、快適さや企業の印象を左右する重要な要素です。
オフィスのイメージや業種に合わせた床材の質や色を選ぶことで、企業のブランドイメージをアピールすることができます。
床材によって空間がデザインされることで、社員にとって居心地の良い環境が生まれ、集中力の向上にもつながります。
また、床材を選ぶ際はデザイン性だけでなく、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮することも大切です。
この記事では床のリニューアルに焦点を当て、床材選びのポイントや床材の種類、張り替え時の注意点を解説します。後半では、当社が手がけた施工事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
オフィスの床の役割
オフィスの床は広い面積を占めており、日々無意識に目に入るため、その場にいる人に大きな影響を与えます。
特に色の効果は大きく、暖色系の色は活気や温かさを演出し、寒色系の色は冷静さや集中力を引き出す効果があるとされています。例えば、休憩スペースには暖色系、執務スペースには寒色系など、目的に応じた色を選ぶことで、ポジティブな心理効果が期待できるでしょう。
さらに、床の色は空間を仕切る役割としても活用できます。フロア全体を同じ色に統一せず、用途別に色分けすることで、パーテーションなどの間仕切りを用いなくても効果的にゾーニングできます。
オフィスの床材の選ぶポイント
快適で機能的なオフィス環境を実現するために、床材選びの基準となる4つのポイントをご紹介します。
- 機能性
- デザイン性
- コストパフォーマンス
- 使用する部屋の目的
機能性
オフィスの床は日々大きな負荷がかかる場所です。そのため、耐久性に優れ、傷や汚れがつきにくい床材を選ぶことが大切です。
雨の日に持ち込まれる水滴や飲み物のこぼれなども考慮し、防水性に優れた素材を選ぶと長期的に安心でしょう。
さらに、掃除のしやすさも重要なポイントの1つです。防汚性が高く、メンテナンスが容易な床材を選ぶことで、美しい状態を長く保つことができます。
デザイン性
床材のデザインにおいて、色選びは非常に重要な要素です。オフィス全体の雰囲気や印象を左右するだけでなく、企業のブランドイメージにもつながります。
おすすめは、企業イメージに合わせてコーポレートカラーを基準に色を選ぶと良いでしょう。内装に自社のイメージカラーを取り入れることで、ブランディング効果が高まり、訪問者の記憶に残りやすくなります。
また、従業員にとっても、親しみやすい環境がモチベーション向上につながる効果が期待できます。
コストパフォーマンス
オフィスの改装には、床材だけでなく内装や家具の入れ替えなど、さまざまな費用が発生します。そのため、あらかじめ床材にかける予算を設定し、その範囲内で最適な床材を選ぶことが重要です。
床材は、種類によって価格に大きな差があります。それぞれの特性を理解し、機能性と価格のバランスがとれた製品を選びましょう。
使用する部屋の目的
床材は、オフィスの目的や用途に合わせて選ぶことで、快適で機能的な空間作りができます。
例えば、防音効果のある床材を使用することで、騒音が軽減され、集中力を高める環境を提供できます。また、防汚性があると、頻繁に人が出入りするオフィスでも床の見た目が綺麗に保てるため、来客時にも良い印象を与えられます。
これにより、従業員だけでなく訪れる人々にも快適な空間が提供され、企業のイメージアップにもつながるでしょう。
オフィスによく使われる床材の種類
ここでは代表的なオフィス床材についてご紹介します。
- タイルカーペット
- ビニル床材 (PVCフロア)
- フローリング (天然素材)
タイルカーペット
タイルカーペットは、四角いパネル状のカーペットで、施工のしやすさや多機能さから、オフィスや商業施設でよく使われています。簡単に設置できる点が大きな魅力です。
例えば、床に敷き詰める作業が迅速に行えるだけでなく、接着剤が不要なタイプも多いため、レイアウトの変更や移動が簡単にできます。
さらに、タイルカーペットのもう一つのメリットは「部分交換」が可能なことです。汚れやすい場所や摩耗が激しい場所だけを取り替えられるため、常に清潔で美しい見た目を維持しやすく、特に人の出入りが多いオフィスに適しています。
また、豊富なデザインやカラーバリエーションもタイルカーペットの特徴の一つです。さまざまな色や柄から選べるので、部屋やオフィスの雰囲気に合わせたアレンジがしやすく、複数の色を組み合わせて独自のデザインを作り出すこともできます。
ビニル床材 (PVCフロア)
ビニル床材(PVCフロア)は、撥水性と耐久性にも優れており、人通りの多いエントランスや廊下、水を使う食堂や給湯室にも最適です。
タイル状の「フロアタイル」と、シート状の「フロアシート」があり、木目調や大理石調など豊富なデザインから選べます。
天然素材と比べて低コストで施工がしやすいことから、大理石や無垢材などの代替素材として使用されることも多い人気の床材です。
撥水性と耐久性にも優れており、人通りの多いエントランスや廊下、水を使う食堂や給湯室にも最適です。施工や取り扱いは比較的簡単ですが、素材によっては剥がれやすい点に注意しましょう。
フローリング (天然素材)
木材や大理石のフローリングは、天然素材ならではの高級感と温かみが魅力です。
他の素材と比べると、コストが高めでメンテナンスに手間がかかりますが、傷が目立ちにくく、長期的に美観を保ちやすいのがメリットです。小さな傷も、時とともに深みのある味わいに変化していくのは、天然素材ならではの魅力といえるでしょう。
フロア全体に採用すると費用や管理の負担が大きくなるため、休憩スペースや客室など、部分的に取り入れるケースが多いです。
オフィスの床を張り替える前に確認すべきこと
満足のいく仕上がりを実現するために、事前に次の3点を確認しておきましょう。
- 原状回復の必要性
- 配線や配管の位置
- 床材の下地の状況
現状回復の必要性
オフィスが賃貸物件の場合、退去時に原状回復義務が発生するため、入居前の状態に戻すことが求められます。
床の張り替えを検討する際は、まず契約内容を確認し、その張り替えが原状回復の範囲内に含まれるかどうかを把握しておくことが大切です。予算には施工費用だけでなく、将来的に発生する原状回復費用も含めて計画を立てましょう。
原状回復が必要な場合、退去時にスムーズにもとの状態に戻せるような床材選びが重要です。
配線や配管の位置
床の張り替え時には、配線や配管の位置の見落としがないように気をつけましょう。事前に電気配線や給水・排水管の位置を把握しておくと、施工トラブルや断線の防止につながります。
特にオフィスでは配線の多さが問題になりがちです。配線が多いと、美観を損なうだけでなく、つまづきや転倒による事故の原因にもなりかねません。
効果的なのは、床下に配線を収納するOAフロアの導入です。しかし、再配線時に引き直しの手間がかかることや、初期費用が高めであるといったデメリットもあります。
予算を抑えたい場合は、配線削減対策も同時に行いましょう。無線LANの導入やクラウドサービスの活用などで配線を減らせば床下の収納スペースを縮小でき、コスト削減にも貢献します。
床材の下地の状況
床材を張る前に下地の状態を必ず確認してください。床には耐久性と安全性が求められるため、下地にひび割れや傷、傾きなどの問題がないか点検することが重要です。
下地が不十分なまま施工を始めると、床材の寿命が短くなる恐れがあります。
補修費用がかかる場合もありますが、適切な下地処理を行うことで床の耐久性が向上し、長期的にはコスト削減につながるでしょう。
オフィス配線の管理方法
床に散らばった配線は美観を損なうだけでなく、事故やケガの原因にもつながります。
絡まりがちな配線を適切に整理・管理し、安全で快適なワークスペースを実現しましょう。
配線を整理するグッズを活用する
床を這う多数の配線は美観を損ねるだけでなく、掃除の妨げにもなります。配線部分のホコリは発火の原因となる可能性があり、大変危険です。
また、散らかった配線は人に踏まれることが多く、断線や足を取られてケガをするリスクも高まります。
配線グッズを使ってスッキリとまとめることで見た目も美しく、掃除がしやすくなります。火災や断線、転倒のリスクを軽減し、安全なオフィス環境が実現できるでしょう。
配線を一つにまとめるスパイラルチューブや結束バンド、デスクに取り付けるケーブルトレー、コードをまとめて収納する配線ボックスなど、多彩な配線グッズが販売されています。いずれも手軽に購入でき、価格も比較的リーズナブルです。
床をOAフロアにする
配線対策としておすすめなのがOAフロアです。
OAフロアとは、配線を床下に収納できる二重構造の床で、配線を隠すことで、より洗練されたオフィス空間を実現します。
OAフロアは、掃除がしやすく、配線に足を引っ掛ける心配がないため、安全性も高まります。また、配線の増設やオフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できる点も大きなメリットです。
オフィス床材の張り替え事例紹介
ここからは、オフィスの床を変えたいとお考えの方に、当社の施工事例をお届けします。
デザイン性に優れた床材の施行事例
国分プレス工業株式会社様の会議室の床材を刷新しました。床材には、東リのビニル床タイル「ルースレイ」(WVP-4423)を採用しています。落ち着いた色合いの木目調で、温かみのあるデザインが特徴です。
お客様がデザイン性を重視されていたため、パーテーションや壁クロスとのバランスを考慮し、複数のプランをご提案しました。
タイルカーペットもご検討いただきましたが、高級感のある仕上がりと、汚れにくくメンテナンスが容易である点から、ルースレイに決定しました。
タイルカーペットの施行事例
運送業者様より、タイルカーペットに張り替えてオフィス全体をモノトーンにまとめたいというご依頼をいただきました。
床が黒一色では暗くなりすぎるため、グレーと組み合わせた市松模様を提案しました。リユース品のストライプ柄も候補に挙がりましたが、最終的には2色を組み合わせるデザインに決定しました。
床材に合わせて、パーテーションやロールスクリーンもモノトーンで統一しています。ブラックを基調としつつも、暗くなりすぎず、洗練されたオフィス空間が完成しました。
事務所移転によるフロアリニューアルの事例
サービス業を営む企業さまから、事務所移転に伴うフロアリニューアルをご依頼いただきました。フリースペースを設け、「白を基調とした明るくリラックスできる空間を」とのご要望です。
フリースペースのタイルカーペットには、草原をイメージした若草色を採用しました。周囲にはグレーのカーペットを配し、2色のコントラストによる開放感と癒しを演出しています。
さらに、パーテーションとドアにコーポレートカラーの赤をアクセントカラーとして取り入れ、空間に鮮やかさを添えました。
オフィスの床材はデザイン性と実用性を考慮して選ぶ
床の張り替えは機能性とデザイン性を重視し、コストパフォーマンスも考慮に入れながら、使用目的に合わせて選びましょう。
掃除やメンテナンスのしやすさ、退去時の原状回復対策も重要な要素です。
また、下地の処理や配線・配管などの専門知識も求められるため、信頼できる施工会社に依頼し、相談しながら進めていくと安心です。
床材の張り替えに関することなら、実績豊富なオフィスレスキュー119Happyにお気軽にご相談ください。