電子化が進んでいるとはいえ、書類や資料の管理に困っていませんか。しかし、オフィス家具にはワゴンやラック、キャビネットなどの種類があり、どれが適当なのかわからない場合もありますよね。
そこで今回は、収納家具それぞれの違いや特徴、馴染み深いワゴンの選び方を解説します。用途に合ったワゴンを選ぶ参考にしてくださいね。
ワゴンとラックの違いとは?
ワゴンとラックにはどんな違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を解説します。
ワゴンとは
ワゴンとは、人や物を移動させる為の車や台、棚のことです。便利な収納としても活用されています。
オフィスで使用するワゴンはデスクワゴンと呼ばれ、引き出しのない平机を組み合わせて利用することが多く、2〜4段の引き出しや棚が付いています。普段はデスク内に収めて使いますが、キャスター付きのデスクワゴンは、デスク前に引き出して補助机としても利用可能です。
ラックとは
ラックとは棚や台のある収納を示し、ものを置くほかに掛けることもできます。ラックには前面に扉のない棚(シェルフ)をはじめ、棚を持たないマガジンラックやCDラックなども含まれます。キャスター付きのラックは、ものをのせたままで移動が可能です。
スチールラックはオフィスでは書類を、倉庫では部品を収納するほか、さまざまな場面で使用することを前提に作られているため、支柱や棚部分の強度が高く、歪まないようにできています。目的に合わせて、キャスターや落下防止パーツなどを付け加え、カスタマイズも可能です。
その他の棚との違いは?
ワゴンやラック以外にも、収納家具にはキャビネットやチェストがあります。キャビネットやチェストとワゴンの違いはどこにあるのでしょうか。
キャビネット
キャビネットは日本では「戸棚」や「飾り棚」を示し、「箱状の収納」を指します。オフィスで使用するキャビネットは、書類や資料、備品などを収納する目的で使われています。
キャビネットは幅広い種類があるのが特徴。扉のない「オープンタイプ」。すっきり片付く「両開き扉タイプ」や、狭いスペースに置ける「片開き扉タイプ」。通路幅を確保しやすい「引き戸タイプ」。引き出しが深く厚いファイルを取り出しやすい「ラテラルタイプ」。豊富なトレーで書類の分類に適した「トレータイプ」に、埃を避けられ内部を把握しやすい「ガラス扉タイプ」です。
キャビネットは、多数のファイルやバインダーの収納にも適しています。
チェスト
チェストは引き出しや蓋の付いた長方形の箱状の家具です。古くは、船乗りたちが船上での衣服や貴重品の収納に使っていました。
オフィスで使われるチェストには、デスク周りで使用する「デスクチェスト」があります。デスクチェストには、デスク上で使うコンパクトなタイプや、床に設置する背が高いタイプがあり、複数の浅い引き出しが付いていて、書類の整理や文具などの収納に便利です。
デスクチェストの主な素材には、温もりを感じる木製や内部が見やすいプラスチック製があります。
ワゴンを選ぶ際に知っておくべきこととは?
ワゴンはほかの収納家具とは違い、デスク近くに収納すると作業効率が上がるものを収納するのに適しています。快適に仕事ができるデスクワゴンの選び方を解説します。
3タイプからデスクワゴンを選ぶ
デスクワゴンは大きく分けて3種類あり、それぞれに用途が異なります。
- オープンタイプ
- クローズドタイプ
- バスケットタイプ
3タイプのワゴンの違いや特徴を見ていきましょう。
<オープンタイプ>
オープンタイプは、前面に遮るものがないため使いたいファイルや備品を見つけやすく、すぐに取り出せるのがメリット。頻繁に出し入れしたいものの収納に適しています。
棚板の位置を変えられるタイプもあり、収納するものに合わせられて便利です。熱がこもらないため、パソコンやプリンターを設置することも可能です。収納したものが丸見えになるので、セキュリティ面の配慮が要らないものを収めるのに適しています。
<クローズドタイプ>
クローズドタイプのデスクワゴンは、複数の扉や引き出しで収納したものを隠すため、片付いて見えるのがメリット。深さに違いがある引き出しが付いたデスクワゴンは、文具や小物、ファイルなど形やサイズが異なるものもすっきりと収納できます。カギが付いたデスクワゴンならば、セキュリティ対策も可能です。
<バスケットタイプ>
バスケットタイプのデスクワゴンは、デザイン性が高くおしゃれに見えるのがメリット。ボックスが2〜3個付いているデザインが主流です。無造作に片付けてもほどよく目隠しできるため、収納が苦手な方でも使いやすいタイプです。天板付きでパソコン作業が可能なものもあります。
素材は「木製」と「スチール」の2種類ある
デスクワゴンに採用される主な素材には「木製」と「スチール製」があります。
<木製の特徴>
木製のデスクワゴンは温もりがあり、人気の北欧スタイルやナチュラルスタイルのオフィスにおすすめです。機能性だけでなく見た目の良さを追求できるでしょう。費用を抑えたいときにはパーティクルボードやパイン材を、長く使いたいときはオーク材やウォールナット材を選びましょう。
<スチール製の特徴>
スチール製のデスクワゴンは、シンプルでスタイリッシュな雰囲気があり、モダンスタイルのオフィスにおすすめです。スチール素材は耐久性があり衝撃に強く、拭き掃除しやすいので、長期にわたって使用できます。マグネットが使えるため、ちょっとしたメモを貼り付けることも可能です。多くのオフィスでスチール製が選ばれているのは耐久性から選択されているのでしょう。
デスクに収まるサイズの幅・奥行き・高さで選ぶ
デスクワゴンはデスク内に納まるサイズを選びましょう。
デスクワゴンの幅が広すぎるとチェアと接触してしまうこともあります。デスク幅が100cmの場合はデスクワゴン幅を30cm程度に、デスク幅が110cmの場合はデスクワゴン幅を35cm程度に、デスク幅が120cmの場合はデスクワゴン幅を40cm程度に、目安を設定して選びましょう。
また、デスクの奥行きは70cm前後となるため、それよりも浅い奥行きのデスクワゴンを選ぶと、立ち上がって移動するときでも邪魔になりません。デスクの高さは72cm程度のものが多いため、デスクワゴンの高さは60cm程度のものにすると干渉せずにデスク内に収まるでしょう。
使用用途からデスクワゴンに必要な段数や引き出しの深さを考える
デスクワゴンの棚や引き出しの数や大きさは、それぞれで違います。購入前に何をどれくらい収納するのかを決めておくと、収める予定だった備品やファイルなどが入らないという失敗を避けられます。
例えば、クローズドタイプのデスクワゴンに、A4ファイルを収納するならば、奥行きが30cm以上、深さが25cm以上ある引き出しが必要です。
一般的に、引き出しが2段のデスクワゴンは、引き出しの深さが同じものが多く、上下段ともにA4ファイルを収納できるものが多くなっています。
しかし、3段のデスクワゴンは各段の引き出しの深さが異なり、A4ファイルを入れられるのは3段目だけになりがちです。どちらかといえば、文具やファイルといった大きさや形の異なるものを1つに収納したいときに適しています。
また、オープンタイプの奥行きのあるデスクワゴンにパソコンやプリンターを設置するならば、はみ出さずに収められるかどうかを、前もって計測しておきましょう。
このように、引き出しや棚の 大きさや数によって収納できるものが異なりますので、事前に収納計画を立てておくことをおすすめします。
オフィスに置くワゴンの正しい選び方とは?
オフィスの形態によって、選ぶワゴンのタイプに違いがあります。
オフィスのタイプに合ったデスクワゴンを選ぶ
1人ひとりにデスクを割り当てる一般的なオフィスでは、重要書類を安全に保管できる引き出しや扉、カギのあるクローズドワゴンがおすすめです。書類のサイズや収納したいファイルのサイズをよく確認し、対応したサイズの引き出しの仕様になっている事を確認しましょう。家庭用のデスクワゴンでA4サイズのファイルが入らない事があります。
1つのデスクを複数人で共有するフリーアドレスデスクを採用するオフィスでは、オープンタイプがおすすめ。セキュリティに配慮する必要のない書類やファイルを収納できて出し入れも簡単です。
自宅兼オフィスの場合はインテリア性が高いバスケット型がおすすめ。ワークスペースをおしゃれに演出できるほか、デスクワゴンが不要になったとしても、キッチンやリビングで転用しやすくなっています。
キャスター付きなど収納以外の機能も重要
内部に収納したままで移動して使いたいならば、キャスター付きが便利です。掃除をするときやオフィスのレイアウトを変えたいときにもスムーズに動かせます。
また、ノートパソコンをオープンタイプのデスクワゴンに置いて利用するならば、ストッパー付きを選ぶと安定性が増して使いやすくなります。
デスクが狭い場合は、天板が上昇するデスクワゴンが便利です。デスクワゴンを手前に引き出した上でデスクに高さをそろえれば、作業スペースを広げられます。
カギの有無や素材の強さも選び方のポイント
仕事をする上で、慎重に扱うべき重要書類を個人で扱うときには、カギがそなわったデスクワゴンを選ぶと、セキュリティ対策ができます。1つのカギですべての引き出しにロックがかかるデスクワゴンも販売されています。
また、外から衝撃を加えられても簡単に壊れない丈夫な素材を選びましょう。スチールは頑丈な素材のためデスクワゴンにおすすめです。
まとめ
ワゴンとラックそれぞれの商品の特徴に触れながら違いをご説明し、ワゴンを選ぶ際に気をつけるべきポイントをご紹介しました。
デザイン性や機能性、耐久性などを総合的に加味したデスクワゴンを取り入れて、機能的なオフィスづくりに活かしてくださいね。