
オフィスの床材は、快適な職場環境づくりや企業のイメージ形成にも関わる重要な要素です。
中でもタイルカーペットは、防音性やメンテナンス性に優れ、機能性とデザイン性を両立できる点から、多くのオフィスで採用されています。
本記事では、オフィスに適したタイルカーペットの選び方を詳しく解説するとともに、清潔な状態を保つための掃除方法についてもわかりやすくご紹介します。最適な床材選びの参考として、ぜひご活用ください。
Contents
タイルカーペットとは
タイルカーペットとは、正方形や長方形にカットされたカーペットを敷き詰めて使用するタイプの床材です。
一般的には50cm×50cmの正方形が多く、裏面に滑り止め加工が施されたタイプが主流となっています。
汚れた部分だけをピンポイントで取り替えられるため、レイアウトの変更にも柔軟に対応できるのが特長です。
さらに、オフィス用のタイルカーペットには、耐久性や保温性など、業務環境に適した機能が備わっている点も魅力のひとつです。
豊富な柄やカラー展開があり、オフィスの用途やイメージに合わせて選べる点も人気の理由といえるでしょう。
オフィス用と家庭用の違い
タイルカーペットには、オフィス用と家庭用の2種類があります。オフィス用は、家庭用と比べて耐久性が高く、土足での多人数の歩行や重い家具の設置、台車の移動にも耐えられるように設計されているのが特長です。
そのほかにも、オフィス用と家庭用のタイルカーペットには、主に以下のような違いがあります。
項目 |
オフィス用 |
家庭用 |
耐久性 |
高い |
オフィス用に比べると劣る |
手触り |
硬い |
柔らかい |
裏面素材 |
ポリ塩化ビニル |
フェルト・塩化ビニル |
固定方法 |
主に接着剤 |
吸着加工 |
機能性 |
耐摩耗性・防火性・防汚性 |
消臭・防ダニ |
大きさ |
50cm四方前後 |
30cm四方前後 |
オフィスにタイルカーペットがおすすめな理由
オフィスの床材にタイルカーペットをおすすめする理由は、高い耐久性に加え、以下のような点のメリットがあるからです。
- コストパフォーマンスが高い
- 防音性と保温性が高い
- 施工やメンテナンスがしやすい
- ゾーニングにも活用できる
コストパフォーマンスが高い
オフィスにタイルカーペットを導入する最大の利点のひとつが、コストパフォーマンスの高さです。一般的な価格帯は1㎡あたり約2,350円〜3,800円程度とされており、比較的リーズナブルに導入できます。
さらに、部分的な張り替えが可能なため、汚れや傷みが生じた際も全体を張り替える必要がなく、メンテナンス費用を抑えられるのも魅力です。また、レイアウト変更や移転時にも再利用しやすく、無駄が出にくい点でも経済的です。
初期費用と維持費のバランスに優れた床材として、多くのオフィスに選ばれています。
防音性と保温性が高い
タイルカーペットは、防音性と保温性に優れている点も、オフィスに適している理由のひとつです。
■防音性
タイルカーペットの表面に使われるパイルは吸音性が高く、足音や会話の音をやわらげます。
さらに、裏面に緩衝材を使用したタイプは、衝撃や振動も吸収し、防音効果を高めます。
■保温性
タイルカーペットの繊維は空気を含む構造になっており、床からの冷気を和らげます。
また、断熱効果のある製品を選べば、室内の熱を逃がしにくくなり、冷暖房の効率が上がることで電気代の節約にもつながります。
施工やメンテナンスがしやすい
施工やメンテナンスの手軽さも、タイルカーペットがオフィスに適している理由のひとつです。
タイルカーペットは軽量で扱いやすく、部屋の形状に合わせてカットしやすいため、あらゆる広さに対応可能です。床に敷き詰めて固定するだけのシンプルな工程で、施工時間も短く済みます。
また、日々のメンテナンスも最小限で済み、清潔な状態を保ちやすい点もメリットです。
タイルカーペットの掃除方法
タイルカーペットは、日常の掃除と月ごとのメンテナンスを組み合わせると、清潔な状態を保ちやすく、快適な使用が長く続きます。
■日常の掃除(週1〜2回がおすすめ)
・毛並みに逆らって掃除機をかける
・取りきれないゴミは粘着テープやコロコロで除去する
■月1回のメンテナンスで美しさをキープ
・固く絞った雑巾で全体を水拭きする
・頑固な汚れには、中性洗剤を100倍に薄めて拭き取り、仕上げに水拭きを行う
定期的なケアによって、タイルカーペットの劣化を防ぎ、見た目も使用感も良好な状態をキープできるでしょう。
ゾーニングにも活用できる
タイルカーペットは、色や柄の組み合わせによって空間を区切る「ゾーニング」にも効果的です。
たとえば、執務エリアと打ち合わせスペースで色を変えることで、視覚的にエリアを分けやすくなり、レイアウトの意図も伝わりやすくなります。
壁やパーティションを使わずに空間を仕切れるため、開放感を保ちつつ、機能的なオフィス空間を演出できます。
さらに、色が持つ心理的な効果を活用すれば、目的に応じた快適な環境づくりも可能です。
- エントランス:ブルーやグリーン(清潔感を感じる)
- ミーティングスペース:イエローやオレンジ(ひらめきや活発な議論を促す)
- 休憩室:グリーンやベージュ(ストレスを和らげる)
- 執務スペース:ブルーやグレー(集中力を高める)
複数の色を使って床を分けることで、空間ごとに役割を明確にでき、気持ちの切り替えもしやすくなります。
オフィスのタイルカーペットをおしゃれに見せる選び方
タイルカーペットは、機能性に加えて空間の雰囲気づくりにも役立つ床材です。
色や柄の選び方次第で、洗練された空間や落ち着きのある雰囲気など、理想のオフィスづくりに近づけます。
オフィス空間をよりおしゃれに見せるためのタイルカーペットの選び方をご紹介します。イメージに合った空間づくりの参考にしてみてください。
- カラートーンを揃えて選ぶ
- アクセントカラーを一部に使用する
- タイルカーペットの素材を確認する
カラートーンを揃えて選ぶ
タイルカーペットを選ぶ際は、壁や家具とカラートーンを合わせると、空間全体に統一感が生まれます。
カラートーンとは、色の鮮やかさや明るさの度合いによって生まれる印象の違いを指します。
たとえば、ビビッドトーンは原色に近い鮮やかな色合いで、空間に明るさや活気を与えます。一方、ダークトーンは深みのある落ち着いた色合いで、シックで落ち着いた雰囲気に仕上がります。
たとえ異なる色を使っていても、カラートーンが揃っていれば、インテリアにまとまりが感じられ、洗練された空間づくりにつながります。
アクセントカラーを一部に使用する
タイルカーペットの一部にアクセントカラーを取り入れると、空間にメリハリが生まれ、オフィス全体がおしゃれな印象に仕上がります。
特に、エントランスや会議室など来訪者の目に留まりやすい場所では、アクセントカラーの活用が効果的です。印象に残りやすく、自社イメージのアピールにもつながります。
たとえば以下のような色使いがおすすめです。
- エントランス:イエローやレッドで明るく印象的に
- 会議室:グレーをベースに、柔らかな暖色をアクセントとして加える
また、企業のイメージカラーをタイルカーペットに取り入れるのもひとつの方法です。企業の理念やビジョンを空間から自然に伝えることができ、ブランディング効果も期待できます。
タイルカーペットの素材を確認する
タイルカーペットを選ぶ際は、使用されている素材にも注目しましょう。表面のパイル素材には、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルといった種類があり、それぞれに耐久性や肌触り、汚れへの強さなどの違いがあります。
たとえば、ナイロンは耐摩耗性に優れ、通行量の多いオフィスや長期間の使用に適しています。
ポリプロピレンは水や汚れに強く、掃除の手間を抑えたい場合におすすめです。ポリエステルは発色が良く、デザイン性を重視した空間に向いています。
このように、それぞれの素材の特性を踏まえて選ぶことで、目的や環境に合った快適なオフィス空間をつくることができます。
項目 |
ナイロン |
ポリプロピレン |
ポリエステル |
耐久性 |
◎ |
△ |
〇 |
特徴 |
耐摩耗性 防水性 色落ちしにくい |
耐摩耗性 掃除しやすい 耐薬品性 |
柔らかな肌触り 色あせしにくい 防水性 |
交換頻度 |
低い |
定期的に交換 |
低い |
歩行量 |
重歩行量 |
中歩行量 |
中歩行量 |
主な設置場所 |
執務スペース エントランス |
会議室 |
靴を脱いで使う 休憩スペース |
※重歩行量の素材は、中歩行量よりも人の歩行量が多い場所での使用が推奨されます。
オフィスにタイルカーペットを使用するときの注意点
タイルカーペットを快適かつ長く使うためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず、将来的な交換や張り替えに備えて、同じ品番の予備を確保しておくことが大切です。
タイルカーペットは一部分だけを取り替えられるのが利点ですが、製造終了や廃盤になると同じ製品を入手できなくなる可能性があります。あらかじめ必要枚数より少し多めに用意しておくと安心です。
次に、湿気の多い場所への設置は避けましょう。タイルカーペットは湿気を吸いやすく、放置するとカビや悪臭、ダニの発生につながります。
これらはアレルギーや不快感の原因にもなるため、衛生的な環境を保つうえで注意が必要です。除湿機の設置や定期的な換気を行い、タイルカーペットの劣化や衛生面でのトラブルを防ぎましょう。
こうした点を意識しておくことで、タイルカーペットの利点を最大限に活かし、快適で清潔なオフィス環境を維持できます。
オフィスのタイルカーペット導入施工事例
タイルカーペットの張り替えや導入によって、オフィスの印象はどのように変わるのでしょうか。
ここでは、オフィスレスキュー119Happyが手がけた施工事例をご紹介します。
レイアウトや使用目的に合わせた柔軟な施工で、快適かつ印象的な空間を実現した実例をご覧ください。オフィスづくりの参考として、ぜひチェックしてみてください。
リユースのタイルカーペットを採用した事例
製造業を営む企業様の執務室のタイルカーペットの張り替え事例です。
施工前のオフィスでは、タイルカーペットが一部剥がれ、歩行時に引っかかるなど、安全面に課題がありました。
OAフロアの固定を行い、上からタイルカーペットを丁寧に貼り直すことで、足元の安定性と安全性が大幅に改善されました。
オフィスレスキュー119Happyでは、新品同様のクオリティを保ったリユース品のタイルカーペットも取り扱っています。
見た目や機能性を損なわずに導入できるため、コストを抑えながらオフィスの印象を一新したい方におすすめです。限られた予算内で、質の高い空間づくりを実現できます。
OAフロアとタイルカーペットの導入
専門学校を運営されている企業様の教室にて、OAフロア化とタイルカーペットの導入を行った施工事例です。
パソコンの設置に伴う配線の断線を防ぎ、生徒の足元の安全性を確保するために、フロア工事を実施しました。
タイルカーペットには、落ち着いた印象を与えるブラックとグレーを採用。視覚的に落ち着いた空間を演出することで、集中しやすい学習環境を整えています。
さらに、タイルカーペットは床からの冷えを防ぐ効果もあるため、快適な室内環境の構築にもつながりました。安全性と快適性を両立させた、実用的かつ機能的なリニューアル事例です。
オフィスのタイルカーペットの張り替え
東京都内の企業様にて、執務室・通路・会議室のタイルカーペット張り替え工事を行いました。
執務室には明るく爽やかな印象を与えるグリーン、通路には汚れが目立ちにくいグレーを採用。色の使い分けによって、それぞれの空間にふさわしい雰囲気を演出しています。
特に執務室では、タイルカーペットをグリーンに張り替えたことで、既存のオフィス家具が映え、全体として軽やかで洗練された空間に生まれ変わりました。
床材を変えただけで、オフィス全体の印象が大きく向上した好例です。
機能性とデザイン性を両立!タイルカーペットでオフィス改革
タイルカーペットは、高い耐久性と優れたデザイン性を兼ね備え、オフィスの雰囲気を一新できる床材です。
エリアごとに適した素材や色を選ぶことで、統一感のある空間を低コストで実現できます。
また、清掃や部分的な張り替えがしやすく、メンテナンスの手間を最小限に抑えられるのも魅力です。
オフィスレスキュー119Happyでは、タイルカーペットの張り替え工事はもちろん、OAフロア工事や家具の移動といった付帯作業にも対応しています。
オフィス全体をトータルで整え、快適で働きやすい環境づくりをお手伝いします。ご相談やお見積もりはお気軽にお問い合わせください。