「肩こりや腰痛で仕事がつらい」「目の疲れがとれない」などの悩みを抱えていませんか。実は椅子の座り方を変えるだけで、体の不調が改善することがあります。
そこで今回は、正しい椅子の座り方や選び方、姿勢をサポートするグッズをご紹介します。
椅子の座り方で体の不調が軽減
椅子に座るとき、姿勢を意識していますか。正しい姿勢は体にかかる負担を軽減します。間違った姿勢を見直すことで、以下のような不調の予防が期待できます。
腰痛や肩こりの予防
腰痛予防には、S字型の背筋ラインをキープすることが効果的です。椅子に浅く座る、背骨をまっすぐ伸ばす、足を組むなどの姿勢を止めましょう。特に足を組む姿勢は背中がねじれて骨盤が傾き、骨盤周りの筋肉が引きつることで腰痛を起こします。
肩こり予防には、こまめな休憩や正しい姿勢、血行促進がポイントです。長時間のデスクワークは、頭と両腕を支える肩甲骨回りの筋肉が血行不良を起こします。また頭が前に出る、背中が丸まる、肩が上がっているなどの状態でも筋肉が緊張し、血行不良を生じがちです。
眼精疲労や頭痛の予防
デスクワークが長時間になると、目の筋肉の緊張状態が続き、目のかすみ、乾燥、頭痛などの眼精疲労の症状が現れます。眼精疲労の予防のポイントは2つです。
1つ目は、PC画面とは40〜70cm程度の距離を保つこと。背中が丸まって頭が前に出ないよう気をつけましょう。
2つ目は、PC画面をやや見下ろす高さに設置すること。目線よりも画面位置が高いと、目を見開いて作業するため乾燥が進み、ドライアイの原因になります。
体型の崩れを予防
悪い姿勢を変えれば、体型の崩れを予防できるかもしれません。食事量は増えていないのに最近太ってきた方は、要チェックです。
例えば、座る姿勢が猫背になっていませんか。猫背は呼吸を浅くし、慢性的な酸素不足の状態に。酸素不足になると代謝が落ち、脂肪の分解が進みにくくなります。
また座る姿勢が崩れると、骨盤が歪んで定位置で内臓を支えきれなくなり、血流を妨げます。血行不良は代謝の低下に加え、むくみにもつながり、下半身太りになってしまうのです。
悪い姿勢を変えれば、体型の崩れを予防できるかもしれません。食事量は増えていないのに最近太ってきた方は、要チェックです。
デスクワーク中の正しい椅子の座り方
前傾姿勢になって深く腰掛ける
まずは前かがみの姿勢になり、座面の奥にお尻が当たるようぐっと深く腰掛け、背筋がS字ラインを描くようにしましょう。
浅く座ると、背中が丸まったり背もたれに寄りかかったりして、S字ラインを描けません。背中の筋肉が上半身の体重を支えきれず、姿勢が不安定になり、腰に負担がかかりやすくなります。
座る姿勢は立つ姿勢よりも腰に負荷をかけるため、深く腰掛けるようにしましょう。
骨盤を立てる
座るときは骨盤を立てましょう。「骨盤が立っている」とは、両ひざと肩が水平に、腰骨と恥骨を結んだラインが垂直になっている状態です。骨盤は、座面の感触が最も強く感じられる部分です。
骨盤を立てて座るとお尻が痛いという方は、クッションを座面に置いてみてください。体圧を分散するタイプのクッションがおすすめです。
あごを引いて肩の真上に置く
あごが前に出ると、どうしても猫背になり肩に負担がかかります。首筋がまっすぐになるよう維持しましょう。
また、あごが出ると頭の位置も前に傾きます。頭の重さは5kg程度あるといわれ、重心がずれると背中や肩の筋肉に余計な負荷がかかります。頭は肩の真上に置くようにし、目線よりもPCが20〜30度前後下になるよう調節しましょう。
かかとを床につける
足の裏全体が床に接するかどうかもチェックポイント。親指と小指の付け根、かかとの周辺が床と接触していれば、姿勢が安定しやすくなります。
座ったときに足裏のどこかが離れていれば、座面が高いサイン。足元に台を置いて安定させるのも一つの方法です。
また、足が床にぴったりとついていても、太もも裏が座面から離れすぎているときは、座面が低すぎるサインです。
机と距離を適切に置く
正しい姿勢の維持には机と椅子の距離も欠かせません。
適切な距離は、椅子に座ったときに肘を90度に保てる場所。PCを操作する際は、肘を垂直に曲げた状態で、自然にキーボードに触れられる距離感が適切です。
腕を椅子の肘掛けか机に置いてPC操作すると、肩にかかる重みが軽減されるので、デスクワークが楽になりますよ。
姿勢改善に役立つ椅子の選び方
座面の高さや大きさ
座面の適切な高さは「身長の1/4」が目安。この目安を参考にして、膝の角度が90度になり、足裏全体が床にぴたっと接する高さに調節しましょう。
椅子の座面の高さを調節できない椅子を使用しているときは、クッションや台を使うのがおすすめ。座面の高さが低い場合は椅子に敷くクッション、高い場合は足元の台を用意するといいですね。
椅子の座面にはさまざまなサイズがありますが、心地よく座れる幅と奥行きは以下の通りです。
■座面の幅
47〜50cmが標準的。大きすぎると肘掛けが使いにくく、小さすぎると窮屈に感じられます。
■座面の奥行き
44〜50cmが標準的。浅すぎると座り心地が悪く、深すぎると膝や太ももの裏が圧迫されます。
背もたれの種類
背もたれの高さは以下の3種類に分けられます。
■ハイバック
背中から頭部までを支えるタイプ。長時間デスクワークする方、疲れにくさを求める方におすすめです。
■ミドルバック
背中全体をサポートするタイプ。ハイバック程のサポート力は要求していないものの、サポートが欲しい方におすすめします。
■ローバック
背中の中頃までをサポートするタイプ。短時間のデスクワークや背中を自由に動かしストレッチをしたい方におすすめです。
オプション機能
オプション機能が備わっていると一層、正しい姿勢を保ちやすくなるので、以下の機能がついているか確認しましょう。
■ランバーサポート
腰を支え、理想的な背筋のS字ラインを実現する機能。背骨が丸まるのを防ぎ、腰の負担を軽減するため、腰痛の方や疲れにくさを重視する方におすすめです。
■アームレスト
体重の約16%を占める腕を支える機能。肩にかかる負荷をアームレストでサポートするため、疲れにくくなります。肩こりの方にとっておすすめの機能です。
■ロッキング
背もたれを後方に揺らして使う機能。デスクワークが長くなれば、休息したり、背中を伸ばしたりしたくなりますよね。作業途中でリラックスしたい方におすすめします。
デスクワークの姿勢を保つグッズ
「今ある椅子を快適に使いたい」「もっとデスクワークを快適にしたい」という方には、グッズの併用がおすすめです。
クッション
姿勢の崩れは筋力不足が原因の一つですが、背面・座面一体型は、弱い筋力をカバーしたい方に、座布団型は筋力のある方に向いています。
クッション素材は、弾力性がある高反発素材がおすすめです。高反発素材は感触が硬く、耐久性があるのが魅力。正しい姿勢をサポートし、猫背や腰痛になるのを防ぎます。
姿勢ベルト
姿勢ベルトは装着時に猫背や巻き肩を防ぐ便利アイテム。筋力不足や悪い姿勢の定着によって猫背になるのを防ぎます。
正しい姿勢を自然に維持したいなら、背中をサポートする姿勢ベルトがおすすめ。体に余計な力が入らず、重心が適切な位置へと移動します。
姿勢ベルトを選ぶコツは、体に合ったサイズを選ぶこと。小さすぎると窮屈に、大きすぎると効果が感じられにくくなるため、体格に合わせて肩や腰のサイズを調整できるものが便利です。
PCスタンド
椅子や机の高さを変えられない場合に便利なのがPCスタンド。PC作業時に下がりがちな目線を上げ、猫背や巻き肩を防ぎます。
PCスタンドは据え置き型と折りたたみ型があります。折りたたみ式は携帯できるため、カフェなどで作業したいときにも便利です。
また、PCモニターアームも便利グッズ。好きな角度や高さに画面を変えられ、自分の体格に合わせて調節できるため、正しい姿勢がとりやすくなります。
まとめ
デスクワーク時に正しい姿勢で座る重要性をお伝えしました。
正しい姿勢のポイントや椅子の選び方、便利グッズを取り入れて、体の不調の改善に活かしてくださいね。