現在、お使いの複合機に満足していますか。複合機には業務用複合機と家庭用複合機があり、業務に合う最適な1台を選ぶには両機の違いを知ることが重要です。
そこで今回の記事では、業務用複合機と家庭用複合機の違いを解説します。複合機に不満を感じている方や購入予定がある方は、参考にしてくださいね。
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複合機(プリンター)は大きく分けて2種類!
プリンターは、主にパソコンやスマホによって作成したデジタルデータを、印刷する単機能の機器です。狭いスペースにも置きやすいコンパクトサイズになっており、印刷するインクの材質によって大きくレーザープリンターとインクジェットプリンターに分かれます。
一方の複合機は、コピー・プリンター・スキャナー・FAX・ステープラーなど、いくつもの機能を搭載した機器です。複合機のサイズはプリンターよりも大きいものの、多機能が1つにまとまり別々にそろえるよりも省スペース化が図れます。
元々、別々の機器であったプリンターと複合機は、技術革新が進むにつれて区別がつきにくくなってきました。単機能であったプリンターはコピーやスキャナーなどの機能を取り込みはじめ、複合機化して家電量販店でも購入できるようになり、家庭用としても一般化しています。
業務用複合機と家庭用複合機の具体的な違いは?
同じ複合機でも、業務用と家庭用では違いがあります。それぞれの特徴の違いを知って、検討時の参考にしていきましょう。
インク・印刷方式
家庭用の小さなサイズの複合機では、インクジェット式が多く採用されています。インクジェット式は、顔料または染料の液状インクを微粒子にし、紙に吹き付けて印刷します。インクジェット式印刷は水濡れに弱く色あせしやすいものの、色鮮やかに印刷できるため、写真の印刷に向いています。
対して、業務用複合機ではレーザー式が多く採用されています。レーザー式はトナーをドラムに付着させた後、熱で溶かして紙に印刷します。色あせしにくく細かい文字やグラフの印刷に向いています。
コスト
コストには購入コストとランニングコストの2面があります。
まず購入コストは、業務用複合機の方が高コストです。家庭用複合機が1万円台から購入可能なのに対し、業務用複合機は40〜50万円以上のものが主流になっています。
次に、ランニングコストは業務用複合機の方が低コストです。1枚の印刷コストは、家庭用複合機が60〜80円前後ですが、業務用複合機は20円前後になります。
具体的には、家庭用複合機のインク価格は5,000円前後と安価なものの消耗しやすく交換サイクルが早め。一方、業務用複合機のトナー価格は1万~2万円程度と高いものの、印刷できる枚数はかなり多くなります。
印刷スピード
家庭用複合機の印刷スピードは低速〜中速が主流で、1分間あたりの印刷枚数は20枚以下になる傾向があります。インクジェット方式を採る家庭用複合機は、インクの乾燥に待機時間をとるので印刷速度は速くありません。
業務用複合機の印刷スピードは中速〜高速が主流で、1分間あたりの印刷枚数は60〜80枚に及ぶ製品もあります。レーザー式は大量印刷を前提に製造されているため、待機時間がほぼありません。
業務用複合機と家庭用複合機、結局どちらを選べばいい?
企業で業務用複合機と家庭用複合機とのどちらを選ぶべきか、その基準を解説します。
業務用複合機をおすすめする場合
次の場合には、パワフルに印刷できる業務用複合機の購入をおすすめします。
<印刷枚数が多い>
印刷枚数の多さを測る基準の1つに、月間印刷枚数があります。1ヶ月の印刷枚数が500枚を超えている場合は、業務用複合機がおすすめ。 会議の資料を大量に用意する業務状況ならば、業務用複合機を選びましょう。
<画質や文字の鮮明さを重要視する>
業務用複合機は写真・図・文字などを問わず、一定レベルの品質で印刷が可能です。苦手とする印刷対象がないため、幅広い用途に対応できるのが魅力です。
<業務効率を向上させたい>
業務用複合機は、印刷効率が良く大量の印刷が可能。1度の印刷枚数が多くても、印刷スピードが速いため短時間で作業が終わります。
家庭用複合機をおすすめする場合
利用頻度がそれほどない場合には、家庭用複合機がおすすめです。
<月間印刷枚数が少ない>
1ヶ月の印刷枚数が500枚に満たない場合には、家庭用複合機でも十分に対応できます。初めに購入しやすい家庭用複合機を使い、問題があってから、業務用複合機を検討しても遅くはありません。
<とにかく導入コストを抑えたい>
家庭用複合機は初期費用を低く抑えられるのが魅力です。1ヶ月の印刷枚数が少ないならば、高額製品が多い業務用複合機を購入しなくても十分に対応可能です。
<業務効率はそこまで影響がない>
少量の印刷を繰り返す程度ならば、印刷スピードの遅さはそれほど気になりません。数十枚の印刷を1ヶ月の間に何度もするといった状況がなければ、家庭用複合機でも十分でしょう。
おすすめの複合機4選
ここからは、おすすめの複合機を業務用と家庭用に分けて、それぞれ2製品ずつ紹介します。
Apeos C2360/富士フイルムビジネスイノベーション
Apeos C2360は、7つのバリエーションから構成される主に小規模オフィスを対象にした業務用複合機。デスク上に置けるコンパクトモデル、座ったままでも操作できる窓口業務に便利なモデル、高速スキャンが可能なモデルなど、あらゆる業務や用途に柔軟に対応できるのが魅力です。
富士フイルムビジネスイノベーションの持ち味でもある高画質の印刷技術を備えているため、文字印刷だけでなく美しい写真印刷を必要とする会社でも、実力を発揮します。
また、USBメモリを直接複合機に差し込み、保存されたデータを印刷したり、スキャンデータをUSBメモリに保存したりできる便利な機能を搭載しています。立ち上がりが早くスピーディーな印刷で、毎日の印刷業務がスムーズに進みます。
MX‐2631/シャープ
MX-2631はさまざまな規模の会社で重宝する業務用複合機。印刷の場面で手間がかかり面倒だった作業を効率化し、家電メーカーとして培ってきた細やかな心遣いが機能面に現れています。
例えば、マルチクロップ・写真クロップ機能では、複数枚の領収書や写真などをまとめてスキャンすると、別々のデータに保存が可能に。手差し給紙で行うことが多い封筒印刷は、本体トレイから給紙できるため、より便利になりました。そして、使い切ったトナーカートリッジは、交換しやすいよう手前に押し出される構造です。
また、シャープの複合機はいつでも安定的に使えて、簡単に分かりやすく操作できるのが魅力。10.1インチの大型操作画面を搭載し、初めて使用する方でも直感的に操作できるのがポイントです。
DCP-J928N/ブラザー
DCP-J928Nは、家庭用複合機でありながら、ビジネスの場面で十分に力を発揮できる1台です。
家庭での利用が見込まれる機能としては、CD・DVD・BDレーベルプリント機能やスマホから写真や文章を印刷できる「Brother Mobile Connect」などが挙げられます。
加えて、写真を色鮮やかに見せる染料インクと文書をくっきりと見せる顔料インクをダブル使いし、写真も文書もきれいな印刷が可能に。また、最大20枚の原稿をスピーディーに読み取る自動原稿送り装置や、用紙を節約する自動両面印刷など、快適にビジネス使いできる機能が集約されています。
さらに、1年に1度利用できる無料修理サービスがつき、安心して便利に使える要素が集まったバランスのいい複合機です。
PIXUS TS5430/キャノン
定番色のブラックやホワイトだけでなく、かわいらしいピンクもカラーバリエーションに加えた、使う楽しさを演出するPIXUS TS5430。モダンで親しみやすいフォルムの家庭用複合機です。
複合機に表示される二次元バーコードを読み取り、プリンターとの接続を簡単にした「QRコードダイレクト接続」や、さまざまな写真共有サービスと連携してスマホや複合機から写真や文書を印刷できる「PIXUSクラウドリンク」、設置場所によって給紙口を選べる「2WEY給紙」などの機能が集約しています。
家庭用向きの複合機でありますが、自動両面プリントや文書印刷をきれいに仕上げるダブルインクが備わり、写真印刷の機会が多いビジネスでの利用も可能です。
まとめ
業務用複合機と家庭用複合機の違いをインクや印刷スピード、コストなどの面からお伝えしました。
業務内容や月間印刷枚数、業務効率などをもとに、業務用と家庭用のどちらが適しているかを判断する参考にしてくださいね。